「まだ早い」と思っているうちに、突然始まることが多いのが介護です。
知っているだけで、家族みんなが楽になれることがあります。
一人で抱え込まずに、使える支援を上手に活用してください。
日本では、介護が必要になった人の約6割が在宅で生活しています。「施設に入れるしかない」は思い込みかもしれません。介護保険サービスや地域の支援をうまく使えば、住み慣れた家で暮らし続けることができます。まず「知ること」から始めましょう。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| アルツハイマー型(最多) | 記憶障害から始まることが多い。進行はゆっくり。全認知症の約60〜70% |
| 血管性認知症 | 脳梗塞・脳出血の後に起こりやすい。できることとできないことの差が大きい |
| レビー小体型 | 幻視(ありありとした見えないものが見える)、パーキンソン症状を伴うことがある |
| 前頭側頭型 | 人格・行動の変化が目立つ。万引きや常同行動(同じ行動の繰り返し)など |
📍 まずかかりつけ医へ
「認知症外来」や「神経内科」に紹介してもらえます。奄美市内では、かかりつけ医から専門医への紹介がスムーズに行われています。「物忘れが気になる」とひとこと伝えるだけで大丈夫です。
参考:厚生労働省「認知症施策推進大綱」/日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン」
介護保険は、40歳から保険料を払い続けている制度です。でも「申請の仕方がわからない」「自分が使えると知らなかった」という方がとても多い。使えるはずのサービスを使えないのは、とてももったいないことです。まず申請することから始めましょう。
| 対象 | 条件 |
|---|---|
| 第1号被保険者 | 65歳以上の方。原因を問わず介護・支援が必要になったとき |
| 第2号被保険者 | 40〜64歳で、特定の病気(がん末期・関節リウマチ・認知症・脳血管疾患など16種類)が原因の場合 |
| サービス | 内容 |
|---|---|
| 訪問介護(ホームヘルプ) | ヘルパーが自宅を訪問し、入浴・食事・排泄介助などを行う |
| 訪問看護 | 看護師・理学療法士などが自宅で医療的ケアやリハビリを行う |
| 訪問入浴介護 | 浴槽を積んだ車で自宅に来て、入浴を介助する |
| 通所介護(デイサービス) | 日帰りで施設に通い、食事・入浴・レクリエーションを受ける |
| 短期入所(ショートステイ) | 一時的(数日〜数週間)に施設に泊まれる。介護する家族の休息にも |
| 福祉用具レンタル・購入 | 車椅子・ベッド・歩行器・手すりなどを低価格で利用 |
| 住宅改修 | 手すりの設置・段差解消などに最大20万円の補助 |
| 施設入所 | 特別養護老人ホーム(特養)・老健などへの入所 |
⚠️ 申請が遅れると、その分サービスを使える期間が短くなります。「まだ元気だから」と思っていても、転倒・入院・急変のときに備えて早めに申請しておくと安心です。申請時点に遡って認定が適用されます。
参考:厚生労働省「介護保険制度の概要」/ e-Gov「介護保険法」
「施設に入れるしかない」と思い込んでいる方が多いですが、在宅でもかなりの医療・介護が受けられます。看取りまで在宅で、という選択をされる方も増えています。また、認知症の方は複数の薬を服用していることが多く、飲み忘れや飲み間違いが大きなリスクになります。薬剤師の訪問サービスを積極的に活用してください。
| サービス | できること |
|---|---|
| 訪問診療 | 医師が定期的に自宅に来て診察・処方を行う。通院が難しい方に |
| 訪問看護 | 点滴・傷の処置・カテーテル管理・服薬確認・体調管理など |
| 訪問リハビリ | 理学療法士・作業療法士が自宅で筋力・歩行・日常動作を訓練 |
| 訪問薬剤管理指導 | 薬剤師が自宅を訪問。飲み忘れ防止、飲み合わせの確認、一包化の提案など |
| 24時間対応サービス | 夜間の急変にも訪問対応できる事業所がある(地域によって異なる) |
認知症や高齢の方は、複数の薬(多剤服用)を正確に管理することが難しくなります。薬の飲み忘れ・飲み過ぎは症状の悪化や入院につながることがあります。
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険サービスをコーディネートする専門職です。「何を使えばいいかわからない」「サービスを増やしたい・減らしたい」などの相談を無料(介護保険内)で受けてくれます。担当ケアマネジャーは、地域包括支援センターに相談して決めることができます。
参考:厚生労働省「在宅医療・介護連携推進事業」/ 日本薬剤師会「在宅医療における薬剤師の役割」
介護を一人で抱え込んでいる方を、たくさん見てきました。「自分がやらなければ」という責任感は立派ですが、介護者自身が倒れてしまっては、続けることができません。疲れを感じたら、それはSOSのサインです。助けを求めることは、弱さではありません。
| 方法 | 内容・目安 |
|---|---|
| デイサービスを週2〜3回に増やす | 日中の介護負担を減らせる。本人の気分転換にもなる |
| ショートステイを利用する | 数日〜2週間程度、施設に泊まってもらう。介護者の旅行・通院・休息に |
| 訪問介護の時間を増やす | 朝・昼・夕など複数回の訪問も可能。ヘルパーに任せる時間をつくる |
| 夜間対応サービスを使う | 夜中の介護から解放される。地域によって利用可能なサービスが異なる |
⚠️ 介護者への虐待(虐待)は、追い詰められた末に起きることが多いです。「してしまった」という罪悪感を一人で抱え込まないでください。地域包括支援センターや相談窓口は、責めるためではなく、一緒に解決策を考えるために存在しています。
参考:厚生労働省「家族介護者支援マニュアル」/ 公益財団法人 認知症の人と家族の会
「仕事か介護か」という二択を迫られているように感じている方も多いと思います。でも、介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は、経済的な安定を崩し、介護が長引いたときに本人・家族ともに追い詰められるリスクがあります。辞める前に、使える制度を必ず確認してください。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 介護休業 | 対象家族1人につき通算93日まで取得可能。3回まで分割して取れる |
| 介護休暇 | 年5日(対象家族が2人以上なら10日)まで取得可能。1日・半日単位でOK |
| 所定外労働の制限 | 残業を断る権利が生じる(介護開始から3年間) |
| 時間外・深夜労働の制限 | 深夜の労働を制限することができる |
| 短時間勤務等の措置 | 時短勤務・フレックスタイムなどを会社に求められる(介護開始から3年間) |
📍 介護休業給付金について
雇用保険に加入している方が介護休業を取得した場合、休業中の給与の約67%が支給されます。「仕事を休むと収入がなくなる」という心配を和らげる制度です。ハローワークで手続きができます。
参考:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」/ 雇用保険法(介護休業給付)
「介護のことを相談したいけど、どこに行けばいいかわからない」という声をよく聞きます。まず頼ってほしいのが「地域包括支援センター」です。介護・認知症・福祉に関するあらゆる相談を無料で受け付けています。何も決まっていなくても、「困っている」というだけで大丈夫です。
地域包括支援センターは、高齢者の介護・健康・生活全般の「何でも相談窓口」です。
※各市町村の窓口情報は変更になる場合があります。詳しくは各役場の福祉・介護担当課にお問い合わせください。
参考:厚生労働省「地域包括支援センターの概要」/ 公益財団法人 認知症の人と家族の会
介護の悩みは、話すことで整理されることが多いです。
「まだそんな段階じゃない」という方こそ、早めに知っておくと安心です。
予約なし・無料でお待ちしています。
認知症は、早く気づいて対応するほど、本人も家族も穏やかに過ごせる時間が長くなります。「年のせいかな」と見過ごしてしまいがちですが、日常のちょっとした変化が大切なサインです。かかりつけ医への相談はハードルが低いので、気になったらまず一声かけてみてください。