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介護・認知症

「まだ早い」と思っているうちに、突然始まることが多いのが介護です。
知っているだけで、家族みんなが楽になれることがあります。
一人で抱え込まずに、使える支援を上手に活用してください。

日本では、介護が必要になった人の約6割が在宅で生活しています。「施設に入れるしかない」は思い込みかもしれません。介護保険サービスや地域の支援をうまく使えば、住み慣れた家で暮らし続けることができます。まず「知ること」から始めましょう。

🔔 テーマ①|認知症のサイン、気づいていますか?
🏠 訪問看護師・保健師からのひとこと

認知症は、早く気づいて対応するほど、本人も家族も穏やかに過ごせる時間が長くなります。「年のせいかな」と見過ごしてしまいがちですが、日常のちょっとした変化が大切なサインです。かかりつけ医への相談はハードルが低いので、気になったらまず一声かけてみてください。

🔍 普通の「物忘れ」と「認知症」の違い
✅ 通常の物忘れ
  • 朝ごはんのメニューを忘れる
  • 人の名前がすぐ出てこない
  • ヒントがあれば思い出せる
  • 自分が忘れたことに気づける
  • 日常生活に支障がない
⚠️ 認知症のサイン
  • 朝ごはんを食べたこと自体を忘れる
  • 知っているはずの人がわからない
  • ヒントがあっても思い出せない
  • 忘れていること自体に気づかない
  • 同じことを何度も聞く・話す
📋 気になったら確認したいサインリスト
🔴 早めに受診・相談を
  • 日付・曜日・場所がわからなくなった
  • 料理の手順が複雑になった
  • 財布・鍵をしまった場所を毎回忘れる
  • 「盗まれた」と繰り返し訴える
  • 怒りっぽくなった、性格が変わった
🟡 様子をみながら相談を
  • 同じ話を短時間に何度もする
  • 以前好きだったことに興味がなくなった
  • お金の管理が難しくなった
  • 外出後、道に迷うようになった
  • 身だしなみに気を遣わなくなった
🏥 認知症の主な種類
種類特徴
アルツハイマー型(最多)記憶障害から始まることが多い。進行はゆっくり。全認知症の約60〜70%
血管性認知症脳梗塞・脳出血の後に起こりやすい。できることとできないことの差が大きい
レビー小体型幻視(ありありとした見えないものが見える)、パーキンソン症状を伴うことがある
前頭側頭型人格・行動の変化が目立つ。万引きや常同行動(同じ行動の繰り返し)など

📍 まずかかりつけ医へ
「認知症外来」や「神経内科」に紹介してもらえます。奄美市内では、かかりつけ医から専門医への紹介がスムーズに行われています。「物忘れが気になる」とひとこと伝えるだけで大丈夫です。

参考:厚生労働省「認知症施策推進大綱」/日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン」

📋 テーマ②|介護保険って何に使えるの?
🏥 保健師からのひとこと

介護保険は、40歳から保険料を払い続けている制度です。でも「申請の仕方がわからない」「自分が使えると知らなかった」という方がとても多い。使えるはずのサービスを使えないのは、とてももったいないことです。まず申請することから始めましょう。

📌 誰が使える?
対象条件
第1号被保険者65歳以上の方。原因を問わず介護・支援が必要になったとき
第2号被保険者40〜64歳で、特定の病気(がん末期・関節リウマチ・認知症・脳血管疾患など16種類)が原因の場合
🔄 申請から利用開始までの流れ
1
市区町村の窓口 or 地域包括支援センターへ申請
本人・家族・ケアマネジャーが代理申請も可能です
2
認定調査(自宅に調査員が訪問)
日常生活でできること・できないことを確認します(約30分)
3
主治医の意見書
かかりつけ医が作成。市区町村が直接依頼します
4
要介護度の認定(約30日で結果通知)
要支援1・2、要介護1〜5のいずれかに認定されます
5
ケアマネジャーと相談してサービス開始
ケアプランを作成し、必要なサービスを組み合わせます
🛠 使えるサービスの一覧
サービス内容
訪問介護(ホームヘルプ)ヘルパーが自宅を訪問し、入浴・食事・排泄介助などを行う
訪問看護看護師・理学療法士などが自宅で医療的ケアやリハビリを行う
訪問入浴介護浴槽を積んだ車で自宅に来て、入浴を介助する
通所介護(デイサービス)日帰りで施設に通い、食事・入浴・レクリエーションを受ける
短期入所(ショートステイ)一時的(数日〜数週間)に施設に泊まれる。介護する家族の休息にも
福祉用具レンタル・購入車椅子・ベッド・歩行器・手すりなどを低価格で利用
住宅改修手すりの設置・段差解消などに最大20万円の補助
施設入所特別養護老人ホーム(特養)・老健などへの入所

⚠️ 申請が遅れると、その分サービスを使える期間が短くなります。「まだ元気だから」と思っていても、転倒・入院・急変のときに備えて早めに申請しておくと安心です。申請時点に遡って認定が適用されます。

参考:厚生労働省「介護保険制度の概要」/ e-Gov「介護保険法」

🏠 テーマ③|在宅介護のリアル:使える支援サービス
🏠 訪問看護師・薬剤師からのひとこと

「施設に入れるしかない」と思い込んでいる方が多いですが、在宅でもかなりの医療・介護が受けられます。看取りまで在宅で、という選択をされる方も増えています。また、認知症の方は複数の薬を服用していることが多く、飲み忘れや飲み間違いが大きなリスクになります。薬剤師の訪問サービスを積極的に活用してください。

🩺 在宅でできる医療・介護
サービスできること
訪問診療医師が定期的に自宅に来て診察・処方を行う。通院が難しい方に
訪問看護点滴・傷の処置・カテーテル管理・服薬確認・体調管理など
訪問リハビリ理学療法士・作業療法士が自宅で筋力・歩行・日常動作を訓練
訪問薬剤管理指導薬剤師が自宅を訪問。飲み忘れ防止、飲み合わせの確認、一包化の提案など
24時間対応サービス夜間の急変にも訪問対応できる事業所がある(地域によって異なる)
💊 薬の管理は「訪問薬剤管理指導」で

認知症や高齢の方は、複数の薬(多剤服用)を正確に管理することが難しくなります。薬の飲み忘れ・飲み過ぎは症状の悪化や入院につながることがあります。

  • 薬剤師が自宅に訪問し、薬を整理・確認する
  • 「一包化」(1回分ずつ袋に詰める)で飲み間違いを防ぐ
  • 家族への服薬指導・相談も行える
  • 介護保険・医療保険の対象となる場合がある
📌 在宅介護のキーパーソン:ケアマネジャー

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険サービスをコーディネートする専門職です。「何を使えばいいかわからない」「サービスを増やしたい・減らしたい」などの相談を無料(介護保険内)で受けてくれます。担当ケアマネジャーは、地域包括支援センターに相談して決めることができます。

参考:厚生労働省「在宅医療・介護連携推進事業」/ 日本薬剤師会「在宅医療における薬剤師の役割」

💛 テーマ④|介護する人が倒れる前に:介護疲れのサイン
🏠 訪問看護師・保健師からのひとこと

介護を一人で抱え込んでいる方を、たくさん見てきました。「自分がやらなければ」という責任感は立派ですが、介護者自身が倒れてしまっては、続けることができません。疲れを感じたら、それはSOSのサインです。助けを求めることは、弱さではありません。

🔍 介護疲れのサインをチェックしてみましょう
🔴 今すぐ誰かに相談してください
  • 介護している人を叩いたり怒鳴ったりしてしまった
  • 「消えてしまいたい」と思うことがある
  • 食事・睡眠がまともに取れていない
  • 自分の病院にも行けていない
  • 介護をやめたいと強く思う
🟡 休息のサインです
  • 慢性的な疲労感・だるさが続いている
  • 趣味や楽しみが全くなくなった
  • 外出するのが億劫になった
  • 小さなことでイライラするようになった
  • 「私だけが頑張っている」と感じる
🌿 休息するための選択肢(レスパイトケア)
方法内容・目安
デイサービスを週2〜3回に増やす日中の介護負担を減らせる。本人の気分転換にもなる
ショートステイを利用する数日〜2週間程度、施設に泊まってもらう。介護者の旅行・通院・休息に
訪問介護の時間を増やす朝・昼・夕など複数回の訪問も可能。ヘルパーに任せる時間をつくる
夜間対応サービスを使う夜中の介護から解放される。地域によって利用可能なサービスが異なる

⚠️ 介護者への虐待(虐待)は、追い詰められた末に起きることが多いです。「してしまった」という罪悪感を一人で抱え込まないでください。地域包括支援センターや相談窓口は、責めるためではなく、一緒に解決策を考えるために存在しています。

参考:厚生労働省「家族介護者支援マニュアル」/ 公益財団法人 認知症の人と家族の会

💼 テーマ⑤|介護と仕事、どう両立する?
🏥 保健師からのひとこと

「仕事か介護か」という二択を迫られているように感じている方も多いと思います。でも、介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は、経済的な安定を崩し、介護が長引いたときに本人・家族ともに追い詰められるリスクがあります。辞める前に、使える制度を必ず確認してください。

📌 仕事を辞める前に確認する制度
制度内容
介護休業対象家族1人につき通算93日まで取得可能。3回まで分割して取れる
介護休暇年5日(対象家族が2人以上なら10日)まで取得可能。1日・半日単位でOK
所定外労働の制限残業を断る権利が生じる(介護開始から3年間)
時間外・深夜労働の制限深夜の労働を制限することができる
短時間勤務等の措置時短勤務・フレックスタイムなどを会社に求められる(介護開始から3年間)
💡 仕事を続けるための3ステップ
1
まず会社に相談する
人事・上司へ状況を伝える。会社に介護休業担当者がいれば活用を。「言い出せない」雰囲気でも、制度は法律で保障されています
2
地域包括支援センターへ相談する
介護サービスを組み合わせることで、自分が対応しなければいけない時間を減らせます
3
ハローワーク・社会保険労務士に相談する
介護休業給付金(雇用保険から給与の約67%が支給される制度)の手続きをサポートしてもらえます

📍 介護休業給付金について
雇用保険に加入している方が介護休業を取得した場合、休業中の給与の約67%が支給されます。「仕事を休むと収入がなくなる」という心配を和らげる制度です。ハローワークで手続きができます。

参考:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」/ 雇用保険法(介護休業給付)

📍 テーマ⑥|どこに相談すればいい?地域の窓口
🏥 保健師からのひとこと

「介護のことを相談したいけど、どこに行けばいいかわからない」という声をよく聞きます。まず頼ってほしいのが「地域包括支援センター」です。介護・認知症・福祉に関するあらゆる相談を無料で受け付けています。何も決まっていなくても、「困っている」というだけで大丈夫です。

🏢 地域包括支援センターとは

地域包括支援センターは、高齢者の介護・健康・生活全般の「何でも相談窓口」です。

  • 介護保険の申請方法を教えてくれる
  • ケアマネジャーの紹介をしてくれる
  • 認知症の相談・受診への道案内
  • 介護者(家族)の悩みも聞いてくれる
  • 費用は無料、予約なしでも相談できる
📍 奄美群島の相談窓口

※各市町村の窓口情報は変更になる場合があります。詳しくは各役場の福祉・介護担当課にお問い合わせください。

📞 全国共通の相談先
認知症の人と家族の会(家族介護者向け)
認知症介護の経験者による相談。同じ立場の人と話せる
0120-294-456 (無料・月〜土 10:00〜15:00)
介護相談員(介護サービス苦情・相談)
介護サービスへの不満・疑問は各都道府県の国民健康保険団体連合会へ
鹿児島県:099-254-8484

参考:厚生労働省「地域包括支援センターの概要」/ 公益財団法人 認知症の人と家族の会

一人で悩まず、保健室に来てください

介護の悩みは、話すことで整理されることが多いです。
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