「縁起でもない」と、後回しにしがちな話。
でも、話しておいて守られるのは、残される人のほうです。若い方にも読んでほしい話をまとめました。
終活というと、人生の締めくくりの準備、という響きがあります。
でも実際にやってみると、「誰に、何を残したいか」を考えることは、いまをどう暮らすかの話になっていきます。
ここには、高齢の方だけでなく、スマホを持っているすべての人に関わる話も入れました。
もしものときに望む医療やケアについて、元気なうちから家族や医療者と繰り返し話し合っておくことを「人生会議」と呼びます。一度決めたら終わり、ではありません。気持ちは変わっていいし、変わったらまた話せばいい——そういう取り組みです。
「話し合いましょう」と言われても、何から話せばいいかわからない。そのためのカードゲームがあります。
| どんなもの? | 36枚のカード。35枚には、重い病気のときや人生の終わりに「大事なこと」として人がよく口にする言葉が書かれています |
| どう遊ぶ? | 手札から「自分にとって大事な札」を選んでいくうちに、自分でも気づいていなかった価値観が見えてきます |
| つくったのは? | 米国Coda Allianceのゲームをもとに、一般社団法人iACPが日本語版を制作したものです |
保健室には、このカードを持ってきてくださる訪問看護師さんがいます。
開催日に体験できる日があります。ゲームなので、深刻な顔をせずに始められます。気になる方は、来たときに声をかけてください。
終活はまだ早い、という方にこそ読んでほしい話です。もしものとき、いま実際にいちばん困るのは、スマホが開けられないことです。
| スマホの中のもの | 開けられないと |
|---|---|
| 写真・連絡先 | 取り出せないまま、誰にも渡りません |
| サブスク(動画・音楽・アプリ) | 止める方法がわからないまま、引き落としが続きます |
| ネットバンク・ネット証券 | 紙の通帳がないため、存在自体に気づかれないことがあります |
| SNSのアカウント | 残り続けます。家族は消し方もわかりません |
💡 今日できる三つ
※パスワードや暗証番号そのものを、メールやメッセージで送らないでください。紙に書いて、置き場所を決めておくのが確実です。
正面から「終活の話をしよう」と言うと、たいてい構えられます。「まだ死なない」と返されたら、その日は引いていいと思います。一度で聞き切る話ではありません。
| 入口 | |
|---|---|
| 自分の話として切り出す | 「わたし、エンディングノート書いてみたんだけど」——自分が先にやって見せるのが、いちばん自然です |
| ニュースやドラマをきっかけに | 他人の話なら、お互い構えずに話せます |
| 手続きの話から入る | 「保険とか通帳って、どこにあるの?」——気持ちの話より先に、物の場所から |
| もしバナゲームを一緒に | ゲームの形をしているので、「話し合い」にならずに話せます |
💡 「親のため」より「自分のため」と言うほうが、届きます
「お母さんのために聞いておきたい」より、「何かあったとき、わたしが困らないように教えて」のほうが、受け取りやすいものです。心配されるより、頼られるほうが話しやすいからです。
決まった形はありません。市販のノートでも、ふつうのノート1冊でも書けます。書きかけのままで、十分役に立ちます。
| エンディングノート | 遺言書 | |
|---|---|---|
| 法的な効力 | ありません | あります(書き方に決まりあり) |
| 書けること | 何でも自由に | 主に財産のこと |
| 書き直し | いつでも何度でも | できます(新しいものが有効) |
| 連絡してほしい人 | 家族が知らない友人・知人は、意外と多いものです |
| かかりつけと薬 | 病院名と、飲んでいる薬。お薬手帳の場所でも |
| 保険・口座の「ありか」 | どこの会社・どこの銀行か、まで。暗証番号は書きません |
| 望む医療・介護 | 決められるところまでで大丈夫です |
| 伝えたい気持ち | ここがいちばん、残る部分かもしれません |
※台風の島に住むわたしたちにとっては、災害への備えとしても機能します。年齢に関係なく、書く意味のあるノートです。
遺言書には「財産のある高齢の方が、一度だけ書くもの」という印象があります。その両方が、思い込みかもしれません。
| 子どものいない夫婦 | 配偶者だけに残したいなら、遺言がないとそうならないことがあります |
| 再婚している | 前の家族との関係で、話し合いが難しくなることがあります |
| 事業・畑・家がある | 分けにくい財産ほど、決めておく意味があります |
| 家族以外に残したい人がいる | 遺言がなければ、その人には渡りません |
※書き方には決まりがあり、外れると無効になります。細かい書き方はここには書きません。法テラスや、最寄りの公証役場・専門家に確認してください。法務局に自筆の遺言書を預けられる制度(自筆証書遺言書保管制度)もあります。
そして——遺言書は、書き直していいものです。
遺言書は、いちばん新しいものが有効です。つまり、一度書いたら終わりではありません。
年に一度、「誰に、何を残したいか」を考え直してみる。すると不思議なもので、死んだあとの話をしていたはずが、いま、できることがあるという話に変わってきます。残したい相手がいるなら、いまから会いに行けます。伝えたい気持ちがあるなら、いま伝えられます。
メンバーにも、1年に1回書き直している人がいます。終活は、終わりの支度というより、いまの棚卸しなのかもしれません。
突然の入院で、家にペットだけが残る——実際に起きることです。ペットは、困ったと言えません。備えられるのは飼い主だけです。
| 急なとき、世話を頼める人 | 鍵の受け渡し方と、食事・持病のメモをセットで |
| 「家にペットがいます」とわかる工夫 | 財布に一枚カードを入れておくと、外出先で倒れたときに伝わります |
| 長期・もしものときの引き受け先 | 家族や友人と、先に話しておく。決まらなくても、話してあるだけで違います |
※災害時の同行避難や日ごろの備えは「動物・ペット」のページにまとめています。
考えたくないのが、普通だと思います。いま決めなくて大丈夫です。ここで伝えたいのは、ひとつだけです。
家族がいちばんつらいのは、決断そのものより、「本人がどう思っていたか、わからないまま決めること」だと言われます。
だから、結論が出ていなくてもいいのです。「延命はしてほしくない気がする」「最期は家がいいな」——口にしたことがある、それだけで家族の迷いは減ります。
💡 気持ちは、変わっていいものです
元気なときと、病気になってからでは、考えが変わって当然です。だから一度きりではなく、折にふれて話し直す——それが人生会議です。何から話せばいいかわからないときは、このページの最初の項(もしバナゲーム)が入口になります。
遺言・相続のような法律のことは、国が設立した案内窓口があります。手続きのことは役場へ。どちらも「何から聞けばいいかわからない」段階で大丈夫です。
亡くなったあとの手続き・各種相談はこちらへ。
| 市町村 | 代表電話 |
|---|---|
| 奄美市 | 0997-52-1111 |
| 龍郷町 | 0997-62-3111 |
| 大和村 | 0997-57-2111 |
| 宇検村 | 0997-67-2211 |
| 瀬戸内町 | 0997-72-1111 |
※課の名前や直通番号は変わることがあるため、代表番号のみを載せています。ほかの島にお住まいの方は、お住まいの市町村の役場へ。
※役場のほか、上のフリーダイヤルでも相談できます。
💡 電話するときは、こう切り出せば大丈夫です
「〇〇で困っているのですが、どこに相談すればいいですか」
うまく説明できなくても、担当につないでもらえます。窓口を探すのは、受けた側の仕事です。
※保健室でも、話を聞いて「どこに相談すればよいか」を一緒に整理します。ただし法律相談・手続きの代行はできません。
このページの相談窓口の情報は、2026年8月18日時点のものです。
受付時間や番号は変わることがあるため、最新の情報は各窓口のページでご確認ください。
口に出すと本当になりそうで、避けてしまう話です。でも、もしものときにいちばん困るのは、あなたの気持ちを知らされていない家族のほうかもしれません。