「もし自分が動けなくなったら?」「大切なことを、ちゃんと伝えられているだろうか?」
怖い話ではなく、今の自分を大切にするための知識として、一緒に考えてみましょう。
「終活」という言葉は、まだ先のことと思いがちです。でも、「もしもの時に自分はどうしたいか」を考えておくことは、今をより自分らしく生きることにもつながります。保健室では、ゲームを使って楽しく、自然に話し合える場をつくっています。
▲ 保健室の開催時の様子。参加者がカードを選びながら、自然と「大切にしていること」を話し合います
「もしバナゲーム」は、人生の最期に自分が大切にしたいことを書いた36枚のカードを使うゲームです。「穏やかでいられる」「家族に感謝を伝えられる」「ユーモアを持ち続ける」など、ひとことで書かれたカードを選んだり、並べたりするうちに、自分の価値観や、大切な人に伝えておきたいことが自然と見えてきます。
| こんな気づきが生まれます |
|---|
| 「自分が本当に大切にしていること」が言葉になる |
| 家族や大切な人と、普段は話せないことを自然に話せる |
| もしもの時の医療やケアについて、家族が話し合うきっかけになる |
| 「死を考える」ことが、今の生き方を見直すチャンスになる |
🌿 保健室でもしバナゲームができます
あまみ暮らしの保健室の開催時に、もしバナゲームを体験できることがあります。一人でも、家族や友人と一緒でも参加できます。次の開催情報はLINEでお知らせします。
「延命治療をどうするか」は、本人が意識を失ってから家族に突然判断を求められることが多いです。元気なうちに「自分の希望」を話しておくことで、家族が迷わずに済みます。ACP(人生会議)は、その話し合いをするための考え方です。
ACP(Advance Care Planning)とは、将来、自分が自分で意思決定できなくなった時に備えて、自分が望む医療やケアについて、大切な人や医療者と話し合うプロセスのことです。厚生労働省は「人生会議」という名前で普及を進めています。
| 場面 | 何が起きるか |
|---|---|
| 意思表示できない状態で救急搬送された | 家族が「延命治療をどうするか」を短時間で判断しなければならない |
| 認知症が進んで、自分では決められなくなった | 本人の意思がわからず、家族や医療者が困ってしまう |
| 終末期に入った | 「自宅で最期を迎えたかったのか」「病院にいたかったのか」がわからない |
💡 難しく考えなくて大丈夫
ACPは一度で決める必要はありません。気持ちが変わっても構いません。「今の自分はこう思っている」を伝えることの積み重ねがACPです。もしバナゲームは、ACPの話し合いを始めるきっかけとしてもとても効果的です。
エンディングノートは、法的な効力はありませんが「自分の思い」を家族に伝える大切な手紙のようなものです。書き始めに「死を意識する」のが怖い気持ちはわかります。でも、書き終わった後に「すっきりした」という方がほとんどです。
| エンディングノート | 遺言書 | |
|---|---|---|
| 法的効力 | なし | あり(法律に従って作成した場合) |
| 目的 | 自分の気持ち・情報を家族に伝える | 財産の分配・相続の指定 |
| 書き方 | 自由。市販のものでも、ノートでもOK | 形式が法律で決まっている |
| 変更 | いつでも自由に書き直せる | 変更には手続きが必要 |
| 費用 | 基本的に無料〜数百円 | 公正証書遺言は数万円〜 |
🌿 まずは「今日の自分の気持ち」だけ書いてみる
完璧に書こうとしなくて大丈夫です。「今日、自分が大切にしていること」を一行書くだけでも、エンディングノートの始まりです。100円ショップのノートでも、スマートフォンのメモでも構いません。書き直すことは何度でもできます。
※エンディングノートには法的効力がありません。財産の分配については、別途、専門家(司法書士・弁護士)に相談することをおすすめします。
「相続の話なんて、うちには関係ない」と思っていませんか? 相続税が必要な人はごく一部ですが、相続そのものはすべての人に関係します。残すお金をどう使ってほしいか、家族と話してみると、亡くなってからじゃなく、今できることが見えてくることがあります。
| 相続税対策 | 相続対策 | |
|---|---|---|
| 目的 | 相続税の負担を減らす | 残す財産・気持ちをスムーズに家族へ伝える |
| 必要な人 | 相続財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える人 | すべての人 |
| 例 | 不動産・多額の預貯金・株式を持つ人 | 預貯金が少しある人・保険に入っている人・家族への希望がある人 |
※相続税の基礎控除の計算例:法定相続人が2人の場合、4,200万円まで相続税はかかりません。多くの家庭では相続税の心配は不要です。
🌿 まず話してみることが「相続対策」の第一歩
難しい手続きより前に、まずは家族と「自分の財産のこと」「残されたお金の使い方」を話すことが大切です。エンディングノートに書き留めておくと、伝え忘れも防げます。財産の分け方を明確にしたい場合は、司法書士・弁護士への相談をおすすめします。
※生前贈与・遺言書・相続手続きの具体的な内容については、専門家(司法書士・税理士・弁護士)にご相談ください。
「死」や「もしもの時」について話すのは、なんとなく避けてしまいますよね。もしバナゲームは、カードを選ぶだけで自然とそんな話ができる、不思議なゲームです。難しく考えなくていい。まずはやってみることが一番です。